経営方針
株主・投資家の皆様へ

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

ここに、当社第47期連結会計年度(2018年9月21日から2019年9月20日まで)の業績についてご報告申し上げます。

当連結会計年度の概況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績の拡大基調により、雇用・所得環境の改善や設備投資の増加が続いており、輸出や生産に弱さもみられますが、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調が続いております。一方で、米中の貿易摩擦の長期化、英国のEU離脱問題等を背景に、世界経済の景気減速が意識されるほか、各国の金融市場も不安定な動きを見せており、金融情勢が世界経済に与える影響にも注視していく必要があります。

このような状況のなか、当社グループでは、企業メッセージとして「前田工繊は混ぜる会社です」を掲げております。このメッセージには、当社グループが持続的成長を遂げるための強い思いを込めており、グループの持つあらゆる経営資源を有機的に「混ぜる」ことで、成長戦略である「M&A」、「人材育成」、「海外事業」を積極的に推進するための原動力になると考えております。

まず、成長戦略の柱と位置付けるM&A戦略においては、事業の多角化をさらに進めるとともに、M&Aにより国内外の地方企業の活性化と地方創生に貢献してまいります。また、当社グループがこれまで培ってきた繊維・樹脂の加工技術に捉われず、異分野がもつ様々な技術やノウハウを「混ぜる」ことで、新製品や新技術を創出してまいります。人材育成においては、グループ社員全員を戦力化するほか、多様な人材を採用・育成し、それらの能力・経験から生まれる人的資源を「混ぜる」ことで、イノベーティブな組織風土を築いてまいります。また、当社グループでは、「従業員の健康が会社の未来を決める」との考え方のもと、すべての従業員の健康に深く関わっていくことを決意し、「健康宣言」を行い、健康で働きがいのある職場づくりに向けた様々な施策に取り組んでおります。

当連結会計年度の売上高は37,853百万円(前年同期比9.4%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は5,344百万円(同4.9%増)、経常利益は5,392百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,056百万円(同9.4%増)となりました。

セグメントの業績

(ソーシャルインフラ事業)

当社の公共工事事業においては、斜面防災製品、森林保全製品、構造物補修・補強材等の売上が順調に推移いたしました。また、営業利益は、原価低減、運賃等上昇分の販売価格への転嫁により、前年同期を上回る結果となりました。不織布関連の製品については、主に産業資材、自動車資材等で使用されるスパンボンド(連続長繊維不織布)の受注が伸び悩み、売上は前年同期とほぼ同等でしたが、原価低減や一部粗利率の高い製品の取扱い増加により、利益は前年同期を上回る結果となりました。なお、当社と国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所が共同開発した(共同特許取得)「ネットバッファ工法(ケーソン目地透過波低減法)」が、第3回「インフラメンテナンス大賞」(主催:国土交通省、他各省)特別賞を受賞いたしました。ネットバッファ工法とは、防波堤等の基礎として設置される箱型コンクリート等の隙間(ケーソン目地)に編地の緩衝材を入れることで、透過波の進入を約80%減衰させ、構造物の長寿命化や砕石や土砂の吸出しによる陥没リスクを抑制することが可能となる工法です。今後も社会資本のメンテナンスに貢献すべく、現場から必要とされる工法、製品を提供してまいります。

獣害対策製品、園芸用ハウス、農業資材を取り扱う子会社の未来のアグリ株式会社においては、一部大型案件の影響により粗利率の低下が見られましたが、獣害防止柵や酪農用品、園芸用ハウスの受注回復等により、売上・利益とも前年同期を上回る結果となりました。また、天幕や帆布生地製品を取り扱う子会社の未来テクノ株式会社では、前期に一部大型案件を売上計上した反動により、売上・利益とも前年同期を下回る結果となりました。

なお、2018年10月29日付でフィッシュミール及び魚油の製造・販売を行う株式会社釧路ハイミールを子会社化し、事業領域の拡大を図っております。

海外子会社であるMAEDA KOSEN VIETNAM CO., LTD.においては、取扱製品の拡充により売上・利益ともに伸長しました。同社では、第3、第4工場の稼動による生産拡充を活かして、当社グループ製品のASEAN地域における販路拡大に努めております。また、台湾のGOLD-JOINT INDUSTRY CO., LTD.との業務提携を有効活用することで、海外販売網の拡大を図っております。

当事業の売上高は、23,061百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益3,844百万円(同1.5%増)となりました。

(インダストリーインフラ事業)

精密機器製造向けワイピングクロスを製造・販売する子会社の未来コーセン株式会社において、自社製品の販売が好調であったものの、受託生産の一部に期ずれが生じたほか、衣料向け受託製品が伸び悩んだ結果、売上は前年同期を下回りました。また、営業利益は、電力料の高騰に加え、減価償却費の増加により、前年同期を下回る結果となりました。

当事業の売上高は、2,187百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益は351百万円(同13.9%減)となりました。

(ヒューマンインフラ事業)

アルミ鍛造ホイールを製造・販売する子会社のBBSジャパン株式会社において、自動車メーカー向けOEM供給やアフター市場向け製品が国内外で好調に推移しました。特に、北米向けOEM供給や海外のアフター市場向けが大幅に増加した結果、売上・利益とも前年同期を上回る結果となりました。

なお、2019年8月に静岡県で開催された、学生主体のものづくりコンペティション「学生フォーミュラ2019」では、ものづくりによる実践的な学生教育プログラムを産学官民で支援するため、今年度より同社もスポンサーとして参加しております。今後も、自動車産業の発展・振興のため、次世代の技術者育成を支援していくとともに、この様な活動を通じてBBSブランドの認知度向上と企業価値の向上に励んでまいります。

当事業の売上高は、12,604百万円(前年同期比21.3%増)、営業利益は2,207百万円(同16.6%増)となりました。

(その他の事業)

当連結会計年度において、新たな事業の柱として、ヘルスケア事業に進出するため、MDKメディカル株式会社を設立いたしました。医療機器規制により、販売前に治験が求められるなど市場化に向けた先行投資が必要となりますが、2023年9月期より業績に寄与することを見込んでおります。

その他の事業の営業損失は10百万円となりました。なお、当連結会計年度には3か月(2019年6月21日~9月20日)の業績が含まれております。

株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2019年12月