経営方針
株主・投資家の皆様へ

 株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 ここに、当社第49期連結会計年度(2020年9月21日から2021年9月20日まで)の業績についてご報告申し上げます。

当連結会計年度の概況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化により依然として厳しい状況にあるなか、ワクチン接種が進展しつつあることで景況感に持ち直しの動きが見られており、日銀が発表した9月の短観によると、大企業製造業の景気判断指数は5期連続の改善が続いております。一方で、今後3か月については、原材料費の高騰や半導体不足を原因とする自動車メーカー等の景況感が悪化する見通しで、景気回復に足踏み感が見られ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかでは、国内外の感染拡大による下振れリスクや金融資本市場の変動等の影響に注視していく必要があります。

 このような状況のなか、当社グループでは、2018年の創業100周年を機に、企業メッセージ「前田工繊は混ぜる会社です」を掲げております。このメッセージには、当社グループが持続的成長を遂げるための強い思いを込めており、グループの持つあらゆる経営資源を「混ぜる」ことで、成長戦略である「M&A」、「海外事業」、「人材育成」を積極的に推進するための原動力になると考えております。

 M&A戦略においては、当社グループがこれまで培ってきた繊維・樹脂の加工技術に捉われず、異分野がもつ様々な技術やノウハウを「混ぜる」ことで、新製品や新技術を創出してまいります。

 海外事業においては、海外の生産拠点を拡充するとともに、外国籍企業との業務提携等を通じて国内外の技術や販売ネットワークを活用することで、当社グループ製品の市場拡大を目指してまいります。

 人材育成においては、当社グループ社員全員を戦力化するほか、多様な人材を採用・育成し、それらの能力・経験から生まれる人的資源を「混ぜる」ことで、イノベーティブな組織風土を築いてまいります。また、当社グループでは、「従業員の健康が会社の未来を決める」との考え方のもと、すべての従業員の健康に深く関わっていくことを決意し、「健康宣言」を行っております。今後も健康で働きがいのある職場づくりに向けた様々な施策に取り組んでまいります。

 このように、当社グループは、モノづくりを通じて、「私たちは 独自の知恵と技術で 持続可能な地球 そして安心・安全で豊かな社会を創るために 貢献してまいります。」という経営理念を実践し、さらに世の中から必要とされる企業となるよう努力してまいります。

 当連結会計年度の売上高は43,236百万円(前期比9.8%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は6,462百万円(同43.1%増)、経常利益は6,378百万円(同37.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,594百万円(同48.7%増)となりました。

セグメントの業績

ソーシャルインフラ事業

 当社の公共工事事業においては、河川護岸材、海洋土木品の販売が低調であったものの、斜面環境製品、コンクリート構造物の補修・補強材料等の販売が好調に推移したことから、売上は前期を上回りました。営業利益は、当社の公共工事向け製品における自社製造比率の増加等、製品ポートフォリオの変化があったことから、前期を大きく上回る結果となりました。不織布関連の製品は、スパンボンド(連続長繊維不織布)の産業資材分野における需要が回復したほか、新型コロナウイルス感染症対策における医療・衛生資材の受注が好調に推移した結果、売上・利益とも前期を大きく上回りました。

 獣害対策製品、園芸用ハウス、農業資材を取り扱う子会社の未来のアグリ株式会社においては、獣害畜産関係の工事案件の一部に期ずれが生じたため、売上・利益とも前期を下回る結果となりました。また、天幕や帆布生地製品を取り扱う子会社の未来テクノ株式会社では、防衛省向け製品の受注が伸び悩んだことで、売上は前期を下回りましたが、期末にかけて海洋土木製品の一部案件が売上に寄与し、製造原価・販管費の削減効果もあったことから、利益は前期を上回りました。なお、海外子会社であるMAEDA KOSEN VIETNAM CO., LTD.においては、取扱製品の拡充により、売上・利益とも計画に対して順調に推移しております。

 当事業の売上高は27,763百万円(前期比5.2%増)、営業利益5,996百万円(同17.0%増)となりました。

インダストリーインフラ事業

 インダストリーインフラ事業では、精密機器製造用ワイピングクロス、衣料・各種産業資材用の丸編製品を製造・加工・販売する子会社の未来コーセン株式会社において、海外向け半導体市況の回復や精密機器製造向け製品の受注確保により、主力のワイピングクロスの売上が順調に回復したほか、スポーツ等の衣料向け受託製品や医療・衛生資材向け製品の売上が伸長した結果、売上・利益とも前期を上回る結果となりました。

 アルミ鍛造ホイールを製造・販売する子会社のBBSジャパン株式会社においては、同社のドイツ子会社BBS Motorsport GmbHにおいて、OEM採用車種の入替え調整により上期の業績が低迷したものの、国内の自動車メーカー向けOEM供給やアフター市場向け製品が好調に推移した結果、売上は前期を上回る結果となりました。また、営業利益は、新規設備や新工場の本格稼働に伴う減価償却費が増加したものの、生産稼働率の上昇による原価低減、運賃等の販管費が減少したことにより、前期を大きく上回る結果となりました。

 当事業の売上高は15,472百万円(前期比19.2%増)、営業利益は1,856百万円(同140.0%増)となりました。なお、当連結会計年度より、「ヒューマンインフラ事業」でありました「自動車ホイール事業」を「インダストリーインフラ事業」に移行しており、前期比については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

ヒューマンインフラ事業

 ヒューマンインフラ事業では、子会社のMDKメディカル株式会社における医療機器の治験費用を計上したことで、営業損失は407百万円(前期は営業損失327百万円)となりました。治験については、2021年9月に患者の組み入れが完了し、現在、経過観察中です。なお、当連結会計年度より、「その他の事業」でありました「ヘルスケア事業」を「ヒューマンインフラ事業」に移行しております。

 株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2021年12月

    • ※決算期変更の経過期間となる2022年6月期は2021年9月21日から2022年6月30日までの9か月10日間となるため、通期の対前期増減率については記載しておりません