経営方針
株主・投資家の皆様へ

株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

ここに、当社第48期連結会計年度(2019年9月21日から2020年9月20日まで)の業績についてご報告申し上げます。

当連結会計年度の概況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、期初からの堅調な企業業績を背景に、雇用・所得環境の改善や設備投資の増加が見られ、緩やかな回復基調が続いておりましたが、一転して、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の経済活動が著しく停滞し、世界経済が深刻な景気後退の局面を迎えました。また、コロナ禍がもたらす社会変化は、米中の貿易摩擦をはじめとする反グローバル化の機運や中国生産からの国内回帰などの地政学的な構造にも影響をもたらしております。

 このような状況のなか、社グループでは、2018年の創業100周年を機に、企業メッセージ「前田工繊は混ぜる会社です」を掲げております。このメッセージには、当社グループが持続的成長を遂げるための強い想いを込めており、グループの持つあらゆる経営資源を「混ぜる」ことで、成長戦略である「M&A」、「海外事業」、「人材育成」を積極的に推進するための原動力になると考えております。

M&A戦略においては、当社グループがこれまで培ってきた繊維・樹脂の加工技術にとらわれず、異分野が持つ様々な技術やノウハウを「混ぜる」ことで、新製品や新技術を創出してまいります。
 海外事業においては、海外の生産拠点を拡充するとともに、外国籍企業との業務提携等を通じて国内外の技術や販売ネットワークを活用することで、当社グループ製品の市場拡大を目指してまいります。
 人材育成においては、当社グループ社員全員を戦力化するほか、多様な人材を採用・育成し、それらの能力・経験から生まれる人的資源を「混ぜる」ことで、イノベーティブな組織風土を築いてまいります。また、当社グループでは、「従業員の健康が会社の未来を決める」との考え方のもと、すべての従業員の健康に深く関わっていくことを決意し、「健康宣言」を行っております。今後も健康で働きがいのある職場づくりに向けた様々な施策に取り組んでまいります。

 このように、当社グループは、モノづくりを通じて、「私たちは 独自の知恵と技術で 持続可能な地球 そして 安心・安全で豊かな社会を創るために 貢献してまいります」という経営理念を実践し、さらに世の中から必要とされる企業となるよう努力してまいります。

 当連結会計年度の売上高は39,365百万円(前期比4.0%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は4,517百万円(同15.5%減)、経常利益は4,635百万円(同14.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,089百万円(同23.8%減)となりました。

セグメントの業績

ソーシャルインフラ事業

 当社の公共工事事業においては、盛土補強材や排水材、斜面防災製品、森林保全製品等の売上が順調に推移いたしました。また、営業利益は、売上高に伴う利益増加に加えて、原価低減や運賃等上昇分の販売価格への転嫁により、前期を大きく上回る結果となりました。不織布関連の製品においては、期初から売上が伸び悩んだスパンボンド(連続長繊維不織布)について、新型コロナウイルス感染症対策関連製品の需要拡大により受注が回復した結果、売上は前期と同水準となりました。また、営業利益は、原価低減や一部粗利率の高い製品の取り扱い増加により、前期を上回る結果となりました。

 鳥獣害対策製品、園芸用ハウス、農業資材を取り扱う子会社の未来のアグリ株式会社においては、新型コロナウイルス感染症等の影響により園芸用ハウスの受注が伸び悩んだため、売上は前期を下回る結果となりました。営業利益は、獣害対策製品においてCSF(豚熱)対策の防護柵や大口案件の受注が増加したほか、低粗利率製品の取り扱い減少により、前期を上回る結果となりました。また、天幕や帆布生地製品を取り扱う子会社の未来テクノ株式会社では、防衛省向け製品の売上が回復したほか、海洋土木製品の生産量が堅調に推移しましたが、期末にかけて予定した大型案件が受注に至らなかったことが影響し、売上・利益とも前期を下回りました。なお、フィッシュミール及び魚油の製造・販売を行う株式会社釧路ハイミールは、売上・利益とも計画に対して好調に推移いたしました。

 当事業の売上高は、26,379百万円(前年同期比14.4%増)、営業利益5,125百万円(同33.3%増)となりました。

インダストリーインフラ事業

 精密機器製造用ワイピングクロス、衣料・各種産業資材用の丸編製品を製造・加工・販売する子会社の未来コーセン株式会社において、半導体向け製品の需要が回復傾向にあるものの上期で販売が伸びず、また、新型コロナウイルス感染症の影響により衣料向け受託製品や医薬品関連用途の製品が低迷した結果、売上・利益とも前期を下回りました。

 当事業の売上高は、1,984百万円(前年同期比9.3%減)、営業利益は303百万円(同13.6%減)となりました。

ヒューマンインフラ事業

 アルミ鍛造ホイールを製造・販売する子会社のBBSジャパン株式会社において、欧州・北米の海外自動車メーカー向けOEM供給が好調に推移したものの、期末にかけては、新型コロナウイルス感染症の影響により世界の自動車生産台数が大幅に減少したほか、同社のドイツ子会社BBS Motorsport GmbHにおいて、OEM採用車種の入替え調整時期により業績が伸び悩んだ結果、売上は前期を下回る結果となりました。また、営業利益は、新規設備や新工場の本格稼働に向けた人件費や、減価償却費の増加により、前期を大幅に下回る結果となりました。

 当事業の売上高は、11,000百万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は470百万円(同78.7%減)となりました。

その他の事業

 2019年6月に、新たな事業の柱として、ヘルスケア事業に進出するため、MDKメディカル株式会社を設立いたしました。本格的な医療分野進出の第一弾としてスイスの医療機器企業であるM.A. Med Alliance SAへ出資し、同社が開発する末梢動脈疾患治療用製品を日本市場で独占的に販売する契約を締結しております。医療機器規制により、販売前に治験が求められるなど市場化に向けた先行投資が必要となりますが、2023年9月期より業績に寄与することを見込んでおります。

 その他の事業の営業損失は327百万円となりました。なお、前連結会計年度の連結損益計算書に含まれる業績は3か月(2019年6月21日~9月20日)であるため、前期比較は行っておりません。

株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2020年12月