経営方針
株主・投資家の皆様へ

 株主の皆様には、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 ここに、当社第53期連結会計年度(2024年7月1日から2025年6月30日まで)の業績についてご報告申し上げます。

当連結会計年度の概況

 当連結会計年度における日本経済は、雇用及び所得環境の改善により個人消費に持ち直しの動きがみられたほか、好調な企業業績を背景に設備投資も底堅く推移し、緩やかな景気回復が続きました。その一方で、長期化するウクライナ情勢など地政学リスクが継続したことに加え、資源・エネルギー価格の変動や国内物価の上昇、アメリカの通商政策の動向等の影響により、先行きが不透明な状況が続いています。

 このような状況のもと、当社グループでは、2023年8月に公表した中期経営計画「グローバルビジョン∞ -PARTⅡ-」(2024年6月期~2027年6月期)に基づく各種施策を推進しています。
 既存事業の強化については、高付加価値な製品・工法を提供するための研究開発や生産性向上等を目的とした設備投資を計画的に実施し、М&Aについては、当社グループの既存事業とのシナジーが見込まれる2社の子会社化が完了いたしました。グローバルネットワーク拡充については、建設関連資材や鍛造ホイールなどの当社グループの製品をグローバル市場で販売する取組みを積極的に展開してまいりました。
 また、持続的成長の基盤となる人的資本への投資も経営上の重要な課題と捉えており、新たな研修体系の導入や海外子会社との人材交流、エンゲージメント調査結果に基づく各種施策、女性活躍推進の取組み等を実行しております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は64,108百万円(前年同期比14.8%増)となりました。利益面におきましては、営業利益は12,026百万円(同12.0%増)、経常利益は12,259百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,489百万円(同18.9%増)となりました。

セグメントの業績

ソーシャルインフラ事業

 主力の公共工事事業において、大型案件の進捗により盛土補強材、海洋土木製品の販売が好調に推移したほか、河川護岸材、景観資材の販売が堅調に推移し、売上・利益とも増加しました。不織布関連の製品は、スパンボンド(連続長繊維不織布)の産業資材・自動車資材向け販売が伸び悩んだものの、医療・衛生資材の受注が堅
調であったことから、売上・利益とも増加しました。
 農水産関連分野については、農業用資材事業における園芸用ハウスなど一部製品の伸び悩み、水産加工事業における販売単価の低迷などの影響により、売上・利益とも前年同期を下回る結果となりました。海外子会社であるMAEDA KOSEN VIETNAM CO., LTD.においては、取扱製品の拡充により安定した受注を確保できたことから、売上・利益とも好調に推移しました。
 また、当連結会計年度より、2024年12月19日付で子会社化した株式会社犀工房、2025年4月1日付で子会社化した三井化学産資株式会社(現前田工繊産資株式会社)の業績が寄与しました。

 以上の結果、当事業の売上高は36,395百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益は7,355百万円(同8.9%増)となりました。

インダストリーインフラ事業

 自動車用鍛造ホイール事業については、国内自動車メーカーへのOEM供給、アフター市場向け販売とも堅調に推移し、海外子会社であるBBS Motorsport GmbHによる欧州での販売も好調に推移したことから、売上・利益ともに好調な結果となりました。
 衣料・各種産業資材事業については、電力料や仕入れ価格の高騰によるコスト増加の影響があったものの、精密機器用ワイピングクロス等の売上が回復し、売上・利益とも好調に推移しました。

 以上の結果、当事業の売上高は27,713百万円(前年同期比14.8%増)、営業利益は6,010百万円(同17.8%増)となりました。

 株主の皆様におかれましては、今後ともなお一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2025年8月